新潟県三条市の自宅で50歳の男性が殺害された。行方不明になった同居の母親(73)が翌日朝、遺体で発見された。男性は知的障害があったとみられ、県警は悩んだ母親が殺害後、自殺を図ったとみている。なぜ止められなかったのか。家族で一人残された40代の弟は心を痛めている。 5月8日午後8時ごろ。帰宅すると、テレビの前の床に封筒が二つあった。一つには自分の名前。4年前に亡くなった父に触れながら、兄と一緒に父の元に行くと記されていた。慌てて3階に駆け上がると、兄が自室で血まみれになっていた。そして母は翌朝、自宅から約2キロ離れた用水路で遺体で見つかった。 捜査関係者や近所の人の話によると、男性は仕事がなく、自宅にこもりがちだった。家族はそのことを限られた親戚らにしか話さなかった。小学校では特殊学級を勧められたこともあったが、入らなかったという。 家計は決して楽ではなかった。… この記事は有料会員記事です