5年前、アメリカから帰って部屋探しをした時、色んな町のマンションを見た。人気の界隈だけど狭くて日当たりが悪い割に高かったり、便利で手ごろな家賃だけれど、窓の外から見えるのが隣のビルのエレベーターだけだったり、部屋は素敵だけど通勤に不便だったり。なかなかぴったりくる部屋がないなあと思っていた時。 「今日はもう遅いので、内覧は明日以降で」と言われて、不動産屋さんに渡されたチラシの住所を頼りに、夜、建物だけ見に行って「ここに住みたい」と思った。 駅の近くの商店街が生きていた。スーパーもドラッグストアもあった。何より、夜遅くまでやっている書店があった。こんな時間まで本屋さんがやっているのか…と思い、夜、ふらふらと外出して立ち読みする自分の様子を想像した。そしてそれは実現した。 実際に住んでみると、買い物や通勤の便もさることながら、この書店のおかげで日常生活が豊かに感じられる。 子どもが出来てからは