2020.07.24 疾患紹介編:#7 萎縮性胃炎 今回は、胃カメラが終わった後に渡される結果報告書の「胃」の段に必ず記載される「萎縮」≒「萎縮性胃炎」について解説します。 私たち内視鏡医は、胃カメラをした際に、食道や十二指腸については何もなければ「異常なし」としか記載しませんが、胃については必ず「萎縮」が有るか無いかを記載します。 その理由は、「萎縮」の有無によって胃がん発生リスクに差があるからです。 「萎縮」があれば、その程度を所見欄に記入し、病名を「萎縮性胃炎」と記載します。 「萎縮」とは胃の粘膜に何らかの理由で慢性的な炎症が起こる事により、粘膜が痛み薄くなっていく変化の事を言います。 胃カメラでは、健康な胃粘膜はピンク色でツルっとして観察されますが、萎縮が進むと肌色から白っぽい色調となり、表面も凹凸が目立つようになります。場所によっては、薄くなった粘膜を透して、下を走っている血管が