ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、米連邦議会でオンラインによる演説をした。「ロシアはわが国の領土だけでなく、基本的な人間の価値や自由に生きる権利を攻撃している」と強調。ウクライナ上空の飛行禁止区域の設定、防空システムや戦闘機の供与などの追加支援、ロシアからの米企業の全面撤退などを求めた。 ゼレンスキー氏は「1941年の(日本による)真珠湾攻撃を思い出してほしい。(2001年の)米同時多発テ…
「Qアノン」の発信元である可能性が指摘されているロン・ワトキンス氏(左)と父親のジム・ワトキンス氏=米西部アリゾナ州プレスコットで2022年2月22日、福永方人撮影 米国の極右系陰謀論「Qアノン」の発信元「Q」である可能性が指摘されているロン・ワトキンス氏(34)と父親のジム・ワトキンス氏(58)が、西部アリゾナ州で毎日新聞のインタビューに応じた。2人がそろって本格的に日本メディアの取材を受けたのは初とみられる。ジム氏は「Qアノンは日本発祥の文化であるネット匿名掲示板から始まったのだから、日本が生み出したとも言える」との持論を展開した。 2月22日、西部アリゾナ州プレスコット。ロン氏はテンガロンハットにウエスタンブーツというカウボーイ風のいでたちで、待ち合わせ場所のレストランに現れた。身長が高い。190センチ近くあるという。プレスコットは世界最古の歴史を持つロデオが毎年開催されるなど「カウ
ロシアがウクライナに侵攻した2月24日、金融を担当する私(記者)は慌てて円相場をチェックした。円は「比較的安全な資産」とされ、リーマン・ショックや東日本大震災など、有事のたびに買われて円高・ドル安が進むのが常だからだ。ところが今回、円相場は1ドル=115円程度でほぼ動かず、今のところ「有事の円買い」は起きていない。外国為替市場で何が起きているのか、みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストに聞くと、日本経済の「残念な事情」が見えてきた。 過去の危機でも円高 まずは「有事の円買い」についておさらいしよう。世界的な金融危機の2008年のリーマン・ショック直後は、投資家が株式などリスクの高い資産から、円など比較的安全とされる資産に資金を移す動きが加速し、1ドル=110円台だった円相場が90円台まで急騰した。 11年の東日本大震災の発生後も急激に円高が進み、82円台だった円相場は数日間で7
新吉原遊郭で幕末の1849年、遊女16人が共謀して自らが働く店に火を付け、直後に「自首」した事件。前編では事件の裁判記録をもとに、遊女たちが置かれた過酷な環境など放火にまで追い込まれた事情に迫った。後編はまずリーダー格遊女・豊平の日記に焦点を当て、事件のきっかけとなったある出来事と、豊平の心の動きをひもときたい。そして16人に下された裁きとは――。 【牧野宏美/デジタル報道センター】 リーダー格遊女が感じた絶望 13歳で遊女になって以来、14年間奉公を続け、店で最上位の序列に上り詰めた豊平。1850年に年季が明けることになっていたが、佐吉はそれを阻止しようとたくらむ。事件の2年前の47年9月、玉芝という若い遊女が店から逃げようとしたのを捕らえた際、佐吉が玉芝にうその証言をするよう迫ったのだ。「豊平からお金をもらい、逃げるようそそのかされた」と。玉芝は当初戸惑ったが、佐吉に大きな鉄ついで頭を
人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの生みの親、アニメーション監督の富野由悠季氏(80)が、毎日新聞などのインタビューに応じた。話題は故郷の神奈川県小田原市にとどまらず、地球の環境問題や教育に及んだ。2021年に傘寿を迎えた巨匠の言葉に、今こそ耳を傾けたい。 小田原の風土が生んだストーリー ガンダムは、人類が宇宙進出する時代を描いている。宇宙に建設した植民地(スペースコロニー)が地球連邦に独立戦争を挑み、兵器としてのロボットを操るパイロットたちが巻き込まれていく物語だ。勧善懲悪ではない筋書きには、故郷の風土が全面的に反映されているという。 「(小田原は)海のものでも山のものでもない、偏りがないところにワールドワイド性があった。だから、作品の中でイデオロギーを持った人をテロ集団にできた。田舎の小さな町だが、住みやすい良いところで、箱根や熱海を背負っている。明治から大正にかけて別荘地帯でもあ
参院本会議を終え、首相官邸に入る途中にスマートフォンを手にする岸田文雄首相。着信画面には「玉木雄一郎」の文字が見える=東京都千代田区で2022年3月4日午前11時58分、竹内幹撮影 国民民主党の玉木雄一郎代表は4日午後、岸田文雄首相(自民党総裁)、公明党の山口那津男代表と国会内で会談し、ガソリン税の一部を引き下げる「トリガー条項」の凍結解除などを要請した。野党党首が単独で与党党首と会談するのは異例。国民民主は政府の2022年度当初予算案に衆院採決で賛成しており、与党への急接近をさらに印象づける一方、野党陣営の分断が決定的になった。 「トリガー条項の凍結解除を速やかに実現すべきだ」。3党首会談でそう訴えた玉木氏に、岸田首相らは「あらゆる選択肢を排除せずに検討する」と従来通りの回答にとどめ、確約は与えなかった。これに先立つ4日午前、玉木氏は山口氏と個別に会談し、自公国3党による政策協議も要請。
平昌五輪のフィギュアスケート男子ショートプログラムで羽生結弦の演技後に投げ込まれた、くまのプーさんなどの大量のぬいぐるみ=江陵アイスアリーナで2018年2月16日、手塚耕一郎撮影 北京冬季オリンピックのフィギュアスケート会場(首都体育館)では、招待客にぬいぐるみの持ち込みが禁止されている。10日は男子フリーがあり、3連覇を目指す羽生結弦(ANA)らが出場。新型コロナウイルスの感染が拡大する前は、演技後にファンが羽生の大好きなディズニーキャラクター「くまのプーさん」のぬいぐるみをリン…
「ドライブ・マイ・カー」の一場面。主演の西島秀俊さん(左)と共演の三浦透子さん=Ⓒ2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会 米映画界最高の栄誉とされる第94回アカデミー賞(映画芸術科学アカデミー主催)の候補が8日に発表された。濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が最高峰の作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)の4部門にノミネートされた。日本作品が作品賞にノミネートされたのは初めて。受賞すれば、英語以外の作品としては韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)以来2年ぶり2回目の快挙となる。 また、日本作品の監督賞ノミネートは黒沢明監督の「乱」以来36年ぶり、脚色賞は初めてで、受賞すればいずれも初。国際長編映画賞でのノミネートは「万引き家族」(是枝裕和監督)以来3年ぶりで、受賞すれば「おくりびと」(滝田洋二郎監督)以来13年ぶりとなる。
塩野義製薬が開発中の新型コロナウイルスの軽症者向け飲み薬について、政府は最終段階の治験完了前の実用化を可能とする「条件付き早期承認制度」の適用の検討に入った。現在、最終段階の治験が約2000人の患者参加を目標に進められているが、政府は数百人規模の中間解析で顕著な有効性が確認されることなどを条件に適用することを想定。治療薬は買い上げる方向で調整しており、条件が整えば今春中にも実用化される可能性がある。 感染早期の服用で重症化を防ぐ飲み薬は新型コロナ対策の切り札とされ、国内では実用化済みの米メルクの「モルヌピラビル」に加え、米ファイザー製も近く承認される見通しだ。ただ、海外製で供給に制約があり、投与対象者も限られることから、国産治療薬の早期実用化を求める声が出ている。
京都アニメーションから刊行された「小林さんちのメイドラゴン」(奥)と続編の「S」を紹介する冊子の表紙=京都市上京区で2021年8月30日午後0時9分、南陽子撮影 2019年7月の放火殺人事件で36人の社員を失った京都アニメーション(京都府宇治市)が新作を着実に生み出している。21年夏に放送されたテレビ作品には、事件で命を奪われたアニメーターが制作スタッフに名を連ね、ファンを驚かせた。生かされたのは、デジタル化されていたことで火災をくぐり抜けた“設計図”だった。 ファンらくぎ付け 制作者に武本さん 21年7月7日から放送されたのは、かつて同社を代表する存在だった武本康弘さん(事件当時47歳)が監督し17年に放送された「小林さんちのメイドラゴン」の続編「小林さんちのメイドラゴンS」。第1話のエンディングロールに多くのファンの目がくぎ付けになった。監督に就いた石原立也さんと共に、絵コンテの制作者
インターネット接続した自宅のテレビから、見ているチャンネルや時刻といった「視聴データ」が民放各局などに送られていることをご存じだろうか。事前同意が不要という位置づけで、送信するのを止めるにはデータ放送での操作が必要だ。放送局はなぜ、そしてどうやってデータを集めているのだろうか。【松原由佳/学芸部】 放送サービス向上が目的 テレビから集められている「視聴データ」は、IPアドレス▽番組の視聴時刻情報▽テレビ受信機に設定された郵便番号――など。各局は、これらのデータを特定の個人を識別できない「非特定視聴履歴」として収集し、放送サービスの向上などに役立てていくと主張している。 非特定視聴履歴を得るために在京民放5局や地方の系列局などは、あらかじめ取得や利用を公表していれば、視聴者個人の明示的な同意を事前に得る必要のない「オプトアウト方式」を採用し、ホームページなどで取得を公表している。オプトアウト
賞状を手にする黒木文乃さん=宮崎市佐土原町下田島の宮崎県立佐土原高校で2021年11月11日午後5時26分、杣谷健太撮影 IT(情報技術)で実現できる未来の社会や新サービスなどの夢を語るIT夢コンテスト2021(神奈川工科大主催)で、「あおり運転」に遭遇した際に適切に対応できるシステムを考案した宮崎県立佐土原高情報技術科1年、黒木文乃(くろぎ・あやの)さん(16)が優良賞を受賞した。学校でプログラミングを学ぶ黒木さんは「将来の仕事にし、みんなに『すごい』と言われるものを開発したい」と話した。 受賞作は「あら?あら?アラート!?」。カーナビとドライブレコーダーを連動させ、「3回連続幅寄せ」などをされた場合にAI(人工知能)があおり運転と判断。ナビ画面にタッチすれば警察や警備会社に連絡が届き、近くの警察署など安全な場所までカーナビが案内する仕組み。
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