――アニメ化にあたっては、いくつもの挑戦的な演出が施されています。そのひとつとして、本編は通常よりもワイドな「シネマスコープ」(※1:2.35の縦横比)となっていますね。 神戸 これは以前からやってみたかったんですよ。映画的な雰囲気を出したかったので、コンテから画面の縦横比を意識して描いています。やってみると、やっぱり画面がグッと締まりますし、チャレンジして良かったと感じています。 ――もうひとつは、会話シーンの「背景チェンジ」です。これは監督のアイデアですか? 神戸 そうです。もともとは『君と僕。』という作品で一度だけ似たようなことをしたんです。キャラクターが心情を吐露するシーンだったんですけど、全体的にトーンが暗かったので、ふたりが電車に乗っているイメージカットを挟み込んだんです。そのときに「これは使えるかも」と思い、それからずっと温めてはいたんですけど、トライできる機会がなくて。本作