「心の闇を、愛でよ」──衝撃のキャッチコピーで刊行された脳科学者・中野信子氏の“初の自伝”『ペルソナ』(講談社現代新書)が話題だ。「埋没することを運命づけられた」「透明な存在」である団塊ジュニア、そして、初めからハンディキャップを負わされた女性として、いかに時代にあらがい、歩んできたのか、赤裸々に語った同書の一部を特別公開する。(第1回/全2回) ※本稿は、中野信子『ペルソナ』(講談社現代新書)の一部を再編集したものです。 やっぱり女は違う扱いをされるのだな あたかも「名誉男性」であるかのように、自分の努力と才能とを男性原理社会の中であっても認めてもらえるよう、命を削るようにして必死で頑張る女性がたくさんいる。が、やっぱり女は違う扱いをされるのだなと、これまで、痛いほど思い知らされてきた。 たとえば鉄門(東京大学医学部医学科)には、女性の教授が当時からいなかった。いわば男性たちの“聖域”の