1 老母が、「法人会の知り合いのすごく立派な人から、本を紹介してもらった。この人を知っているか?」と、安岡正篤の本を私に見せた。 …中学校しか卒業していない我が老母に、右翼思想家の本を推薦しないでくれ。安岡正篤について私がそんなに知っているわけでもないけど。 学のない人が触れることのできる「教養のフリをしたバッタモン」は、少なくとも我が老母に関しては、新興宗教とオカルトと偽科学と右翼思想にだいたい限定されている。なぜなんだろうなあ。「草の根保守」って、こういう風に伝播しているんだろうなあ。丸山眞男の言う「擬似インテリ」の擬似教養だよな。 そのわりには我が老母はまだガチ右翼にもならずカルトにも嵌っていないのは、それは幸運なのかなあ。「擬似教養」をすら蓄積していないからなんだが。「擬似教養」を変な形で蓄積すると、「教養」を憎悪したり、ネットウヨクと思考形式が近似したりする。我が老母は「生長の家