【ローマ=佐藤友紀、北京=中川孝之】ローマ法王庁(バチカン)は22日、長年の懸案だった中国のカトリック教会の司教任命を巡り、バチカン代表団が北京で行った中国政府との協議で、暫定合意に達したと発表した。バチカンによると、ローマ法王フランシスコがこれまで承認してこなかった中国独自の司教7人の妥当性を認めた。バチカンは中国側に譲歩する形で、これまでの方針を転換した。 ローマ法王は22日、訪問先のリトアニアで合意について、「過去の傷に打ち勝ち、中国カトリック教会の統一につながるものになるだろう」と述べた。中国外務省も22日、バチカンと暫定合意し、さらなる関係改善を進めると発表した。 バチカンは、無神論を掲げる中国共産党が樹立した中国と1951年に断交した。中国ではその後、政府公認の「中国天主教愛国会」が独自の司教を選んできた。