横浜地裁での裁判員裁判で保護観察付き執行猶予判決を受けた元被告男性(21)の行方が分からなくなっている問題が、関係者に波紋を広げている。裁判員裁判ならではの“温情判決”が踏みにじられた形。裁判員経験者からは「裏切られた気分」と失意の声が漏れ、法曹関係者は「裁判員は保護観察の実態を分かっているのだろうか」と、「市民による司法」の過剰な更生への期待を憂慮した。 「新聞で知り、自分が担当した被告のことかと思ってどきっとした」 元被告の公判と同様に強盗致傷罪で保護観察付き執行猶予判決を言い渡した、同地裁小田原支部の公判で裁判員を務めた男性会社員(41)は、元被告が所在不明になったという報道に驚いたという。 会社員は「正直、腹立たしい。なぜ逃げるのか理解できない」と声を荒らげ、「本人の更生に適していると判断したのだが…」と、自らがかかわった判決についても不安そうに振り返った。 同じく同支部で