「レスキューの出動をお願いします」 7月30日午前1時27分。大阪市消防局指令情報センターに、大阪府警本部から通報が入った。 約10分後、大阪市西区南堀江1丁目のマンションに消防車や救急車計6台が到着。レスキュー隊員2人は3階の一室にはしごをかけてベランダに入った。カップめんの容器、ジュースのパック、スナック菓子の袋……。足はゴミに埋まった。 窓が約10センチ開いていた。真っ暗な室内もゴミが山積みに。真ん中だけ、わずかに床が見えた。懐中電灯で照らすと、一部がミイラ化した全裸の幼児2人が寄り添うように倒れていた。「救助不能」。隊員は無線で告げ、玄関のカギを開けて外にいた警察官を部屋に入れた。 府警によると、2人の遺体は死後1カ月半ほど経過していたとみられる。 「30年以上警察官をしているが、最悪の現場だ」。ある捜査幹部は涙を浮かべて語る。冷蔵庫は空。玄関や台所に通じるドアに粘着テー