平安の仏像60体確認 兵庫の薬師堂、一挙に2010年11月6日14時6分 平安時代の作と確認された仏像。保存修復処理の終わったものが手前に並べられた=兵庫県加東市中古瀬 兵庫県加東市中古瀬の薬師堂に伝わる60体もの仏像が、10〜12世紀の作であることが早稲田大奈良美術研究所の大橋一章教授(仏教美術)らの調査で明らかになった。平安時代の仏像がこれほど多数確認されるのは近年例がないだろうといい、同研究所が保存処理に乗り出した。 お堂の周囲には水田が広がる。区長の吉元明博さんによると、集落の63戸で管理し、正月とお盆にだけ戸を開けるという。「この地域ならどの集落にでもある辻堂で、江戸時代の建築でしょう」と加東市教育委員会文化財係の森下大輔さんは説明する。 ここに調査が入ったのは今年の夏。早大の桜庭裕介講師(文化財修復)は「様式と制作技法から見て、すべてが平安時代の作。これほど多数の平安仏が知られ