生命科学者、固まる 幸い、魚の模様の話題は無事に終わり、今度はN先生が研究の説明をする。N先生は、最近の神経科学の進歩について解りやすく解説。両陛下とも引き込まれて楽しそうに聞いている。やれやれ、何とかうまくいった……とほっとしていたのだが、そういう時こそ危ない。ピンチが突然にやってきた。 「従来、神経科学の動物実験には、ニホンザルなどのかなり大きめの猿が使われてきましたが、ニホンザルでは、遺伝子操作による精密な研究をすることが難しいのです。そこで近年にはマーモセットという猿が使われるようになり、これで、飛躍的な知能研究の進展が期待されています」と説明したところで、皇后陛下のカウンターが炸裂。 「そのマーモセットというお猿は、どんなお猿なのですか?」 「へ?」 こちらの3人組は意表をつかれて、顔を見合わす。た、たしかにどんな動物か判らないと、聞く方もイメージ湧かないだろう。……えーと、これ