※本記事は「平家物語」、アニメ『平家物語』のストーリー展開に触れています。 胸に響く「滅びの歌」 アニメ『平家物語』が深夜の地上波で放送されている。 胸に刺ささる作品である。 主人公は、男のなりをした琵琶を弾く少女「びわ」。 ゆえあって平重盛の館に住むことになり、その子息の平維盛、資盛、清経らと兄弟のように育つ。 平家の栄華から没落をその内側から見続ける「他者」のポジションにいる。 ぼんやり見ているぶんには「平家のことを語り伝えるためだけにその中枢にいる妖精」のようである。 「平家物語」の語り手の化身とも言える。 その透き通った声が、見ている者の心を掴んでを離さない。 その透徹さは、時を越えていく。 800年を越えて語り継がれている『平家物語』は滅びの歌である。 平忠盛の出世から始まり、栄華を極めるさまから、一族もろともに滅んでしまう姿が活写される。 「やがてこの人たちは地上から消え去る人
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