これまで「和魂漢才」と「和魂洋才」で生きてきた日本人。グローバル化が急速に進む中で、日本人はあらためて「日本文明とは何か」「日本人とは何か」を問われている。これからの時代を生き抜くために、日本人に求められる教養とは何か――。 宗教学者の山折哲雄氏が、有識者との対談を通して、日本人の教養を探る。 山折:海陽学園がひとつの参考にしたというイギリスのパブリックスクール。この寮生活というものは、壮絶なものがあります。厳しいタブーがあり、禁欲生活の中に押し込み、しごきにしごくわけです。 その伝統っていうのは、やっぱり中世の修道院から来ており、ありていに言えば、子どもたちを人間扱いしない。まるで動物を扱うように扱うところがある。しかし卒業したら、その翌日からは紳士扱いです。この転換の妙っていうのがすごい。 国鉄分割民営化で考えたこと 葛西:私がこの全寮制の学校について考えた原点は、国鉄の分割民営化と関