土曜の朝。テレビは「皇室アルバム」。僕は1000mlパック牛乳に口を直接付けて飲む。牛乳が僕の喉をごろごろと鳴らして身体の一部になっていく。小学生のときに「牛乳は飲むんじゃなくて噛むんだ」と先生に言われたのが習慣になっている。もぐもぐもぐもぐもぐ。もぐもぐ噛みながら僕は朝を観察する。静かだ。近隣のオッサンどもの奏でるオエーッ協奏曲も今朝はない。朝日が差し込む机の上。過去に読まれていない雑誌、未来に読む可能性のない雑誌の山。雑誌を捨てられるのは月に二回。第一・第三火曜日。この連休が明ける前に捨てられるようにしておかねばならない。牛乳をもぐもぐと噛み終えた僕は雑誌をまとめて適当な大きさの塊にしてビニル紐で縛っていった。写真雑誌が一冊こぼれ落ち、けばけばしいゴシップが床のうえで派手に踊り僕はとても悲しい気持ちになる。二世タレントのスクープ。不倫。僕はこういう記事が嫌いだ。大きなオッパイをした奥さ