この一年の藤井聡太六段(15)の活躍は凄まじかった。2日に発表された2017年度将棋大賞において対局数、勝数、勝率、連勝数の記録四部門を独占(史上3人目)。特別賞と新人賞も受賞した。 藤井六段といえば一昨年12月から昨年6月にかけて達成した29連勝だが、実は今年1月からも再び勝ち続け、16連勝まで伸ばしていた。 ところが3月28日、中学生最後の対局に臨んだ藤井六段は久々の敗北を喫した。“連勝ストッパー”は井上慶太九段(54)。かつて順位戦A級に3期在籍した強豪だが、昇竜の勢いの天才少年を止めるのは難しいと思われていた。井上九段が振り返る。 「いやもうグッタリ疲れました。集中していたんでしょうね。本当はいつもそのくらい集中して指さないとアカンのですけど(笑)」 “39歳差対決”を制した井上九段 ©文藝春秋 対局は、あえて古い戦法をぶつけた井上九段有利に進んだ。113手目、決め手の「3四桂」を