題名:近代の写真が芸術へと至る価値観の事実 報告者:アダム&ナッシュ 芸術はそれを観る側の見識によって解釈が大いに異なり、例えば、現代芸術のような抽象画ではその判断に一段と高い見識が求められる。これが、レオナルド・ダ・ビンチ以前の中世の絵画であれば、教会などに描ける画家は特殊な存在でもあり、それを描ける人は、ある意味神に最も近い存在として見做された可能性もある。例えば、スクロヴェーニ礼拝堂の聖母マリアとイエス・キリストの生涯を描いた装飾画家であるジオット・ディ・ボンドーネ(1266年頃~1337年に活躍1))は、西洋絵画に現実的、三次元的な空間表現や人物の自然な感情表現をもたらし、西洋絵画の父とも言われる2)。その影響は、ルネッサンスの開幕において、決定的な出来事でもある1)。そのため、当時の人々からすれば、ジオットが描いた絵画は神の写し絵ともみなせ、ジオットは神に最も近づいた人物の一人と