小学校6年生のとき、初めて女子に渡されたラブレターにはこう書かれていた。 「私はヒデヨシくんの顔を好きになったわけではありません。 やさしいところが好きです」 せっかくラブレターをもらったのに、なんだか複雑な気持ちになった。 中学に入り、クラスの入り口に女子の人だかりができた。 他の小学校から来た女子が、キャアキャアと浮かれた声を出しながらこちらを見ている。 ついにモテ期がきたのだと思った。 小学校時代は不遇な環境であったため僕のルックスは評価されなかった。 中学に入り時代は変わり、物の価値が理解できる他校出身の女子生徒によって、やっと評価される時がきたのだと。 僕はわざとらしく席を立ち、トイレに向かった。 当然、女子に話しかけられるものだと思っていた。 もしかしたら、家電の電話番号を聞かれるかもしれない。 「彼女いるんですか?」 と聞かれたらなんて答えよう。 「アイズ」という漫画で予習し