はじめに 知識証明に関する論文の証明[2]を読んでいると、証明の健全性を示すために「知識抽出機」(Knowledge Extractor)なるアルゴリズムの存在を示そうとすることがあります。 知識抽出機が存在するか、すなわち知識抽出可能であるかどうか(Knowledge Extractability; KE; 知識抽出可能性)と、証明の健全性というのはあまり関連がないトピックのように思えます。 [1] の回答で、この関係について明快に説明しているものがあったため紹介します。 定義 統計的健全性を示すための知識抽出機は以下のような文脈で登場する。[1]より引用。 具体的には、証明者アルゴリズムを固定して様々な入力を与え、その出力を用いて知識抽出を行う構成になっている。 (なお、ゼロ知識証明の場合には検証者アルゴリズムとやりとりする際に知識抽出ができてしまっては困るので、実行のたびに異なる乱数