これまで日本は、先進的な技術を生み出しても、国際標準を取ることは必ずしも得意でないと言われてきた。しかし20年以上前、ある1人の研究者の好奇心から始まった暗号解読の試みが、後に国際標準暗号として、第3世代携帯電話で採用されることになったことをご存知だろうか。その人こそが、当時最強といわれた暗号「DES」を解読し、さらに強力な暗号アルゴリズム「MISTY」を開発した三菱電機 情報技術総合研究所の松井 充氏だ。いかにして日本が世界標準を勝ち取ることができたのか。同氏に当時を振り返っていただいた。 アクト・コンサルティング 取締役 経営コンサルタント 1958年生まれ。大手コンサルティング会社を経て現職。 製造業、情報サービス産業などを中心に、経営戦略、事業戦略、業務革新、研究開発戦略に関わるコンサルティングを行っている。主な著書に、『正しい質問-ノーベル賞受賞者や経営者との対話で得た、超生産性