ITを駆使して災害対応に役立てる次世代の防災・減災を研究 国のプロジェクトを率いて府省庁・自治体支援の情報システムを築いた 行政だけでなく個人の意思決定に役立つ情報の提供を目指す 未曽有の被害をもたらした2011年の東日本大震災からまもなく10年。その後も2016年の熊本地震や2018年の西日本豪雨など大きな災害が続き,そのたびに新たな教訓を突きつけている。一方で,この10年間で前進したのが多様な情報を活用して防災・減災を目指す取り組みだ。防災科学技術研究所・総合防災情報センター長の臼田裕一郎はこれまでバラバラだった被害状況やライフライン,被災者の状況などの情報を集めて「見える化」し,迅速な被災地支援や住民の意思決定に役立てる仕組みづくりに取り組む。環境情報学の知識と経験を防災に生かし,ITを駆使した「次世代の防災」をけん引する。 (文中敬称略) 臼田裕一郎(うすだ・ゆういちろ