「音でない音」を描くこともある。音ひとつしない場面に「シーン」と書くのは、じつはなにをかくそうぼくが始めたものだ。 このほか、ものが消えるとき「フッ」と書いたり、顔をあからめるとき「ポーッ」と書いたり、木の葉がおちるときに「ヒラヒラ」と書くなど、文章から転用された効果は多い。 『マンガの描き方』は何十年も前に読んでいたのですが、すっかり忘れておりました。 そこだけ普通に読めば自分が「シーン」という言葉自体を発明したと云ってるようなじつに微妙な書き方がされていますな。「フッ」などは文章からの転用と明記されていますが、「シーン」は別になっていますから。 しかし、流れから考えて手塚さんとしては「シーン」という言葉自体を発明したわけではなく、それまで文章で使われていた「シーン」をマンガに初めて導入したと云っているんでしょう。 あたしはどうせ手塚さんのことだからまた適当な法螺を吹いてるんだろと想って