写真を良くするのもそうだし、資料の出来を高めるためにも色彩はちゃんと勉強しようと本屋をうろついていたら見つけたのがこの本。バウハウスで10年教鞭をとっていた著者の本であれば間違いがなかろうということで色彩勉強の一冊目とした訳なのだけど、良い意味で一冊目としては裏切られた。 というのも、いわゆる色彩の理論は実際上あまり意味が無く、実践から良い色彩を見つけ出す他ないというのが本書の結論だからだ。著者はこう喝破する。 「そもそも理論とは、実践から生み出された結論なのである」 「理論の後に実践が来るのではなく、実践の後に理論が来るのが自然だと考えている。このような研究は、経験を通した永続的な教えや学びをもたらす。その目的は、発見や発明によって実現される創造性を養うことにある」 本書の構成はとても変わっている。まずは、いかに人間が色について倒錯した理解をしてしまう生き物であるのかを、事例を通じてこれ