東京に出てきて初めて付き合った子は、ビックリするくらい育ちのいい社長令嬢だった。 社会に出て間もない俺は、彼女から聞かされる「パパの武勇伝」にいちいち感心し、彼女の意識の高さを褒め称えた。 「すごいね!」 「XXの考え方、すごく尊敬してる。俺も頑張る」 「お父さんは本当にすごいんだね」 彼女と付き合っているときは、たった一度も浮気しなかった。 他の女の子と会うこともなく、大切にしてきたつもりだ。 が、3ヶ月で振られた。 その何年か後に、人生で一番キレイだと思える子と付き合うことができた。 「この子と付き合えるなら、寿命が5年縮んでも構わない」 付き合う前に何度もそう思い、気まぐれな彼女の気持ちがいつか自分に向くようにと神に祈った。 一回一回のメールに何行もの想いを込め、誠実に、溢れんばかりの愛情でメールを送った。 そして、運良く付き合うことができた。 隣を歩いていると、目に映る景色が明るく