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ブックマーク / ten-navi.com (3)

  • 会社を休職中の私は、ダウン症の弟との旅に出て、救われた|岸田奈美

    「私は大変じゃない」。小学校の集会で、泣いて暴れた 会社を2カ月、休職した。 実家に戻り、寝ることくらいしかできなくなった私を救ってくれたのは、知的障害のある弟。 私はいつも、弟に助けられて生きてきた。 でも、世間は逆の先入観を持っている。 小学生の時、集会で先生が言った。 「奈美さんには、知的障害のある弟さんがいます。大変なのに頑張っているので、学校では皆で助けてあげましょうね」 瞬間、私はブチ切れた。 後にも先にも、私が人前であんなに泣いて暴れたのは、初めてだ。 家に帰っても悔し涙が止まらず、母に「私は大変じゃない」「良太はかわいそうじゃない」と、何度も言った。 強がりじゃなく、音だった。 私は弟・良太といることで、数え切れないほど得をしてきた。 友達に囲まれる弟と、人付き合いが苦手な姉 良太はダウン症という染色体の異常で、知的障害の判定は重度。今は24歳になるが、知的レベルは2歳児

    会社を休職中の私は、ダウン症の弟との旅に出て、救われた|岸田奈美
  • 人を大切に扱うこと。|幡野広志

    もういちどコラムを書いてほしいとDybe!の担当編集者からメールで依頼をされた。 ぼくは2018年の11月に『仕事だけを生きがいにしていると、仕事を失ったときに死んでしまう。』というタイトルで病気と仕事に関するコラムを、知ったような口をきかせながら書かせていただいた。 ありがたいことに反響がおおきく、たくさんの方から感想をいただけた。 自分の考えに感想をいただけるというのはとてもありがたいことだし、自分が書いたコラムが多くの人に読まれるというのはやっぱりうれしいものだ。 編集者からのメールには仕事に関することを書いてほしいという内容と、最後に前回のギャランティよりも、すこし金額が上がったギャランティが提示されていた。このすこし上がったギャランティがぼくの背中を押してくれて、いまこのコラムを書いている。 いきなり矛盾したことを言い出すけど、ぼくは報酬の多寡では仕事を受けないようにしている。ギ

    人を大切に扱うこと。|幡野広志
  • わたしたちは生産性を高めることによって、何を欲望するのだろうか?|ながーいれい

    生産性を上げよう、と盛んに叫ばれています。皆さんはこの言葉を耳にしたとき、どのような感情を持つでしょうか。哲学研究を生業とするながーいれいさんは、「生産性」の根を考えてみよう、と語ります。 退屈な曇天のある日、小包が届いた。 差出人を見ると親戚の名があり、ずっしりと重い。 そういえば、贈り物があると言っていたなと思いながら、ぐるぐる巻きにされたガムテープを長い時間をかけて引き剥がす。大きな封筒から箱を引っ張り出すと、今度はプチプチが巻かれていて、再び爪でテープをカリカリと引っかき剥がす。思わぬ手間に玄関で包装を解こうとしたことを後悔する。と同時に、わたしはその中身に強い期待を寄せている。 この重さだったら、おしゃれなキッチン用品かな。素敵なカトラリーだったらどうしよう。二段目の器棚を整理すれば入るな。ああ、できればスープ皿が欲しい。 わたしは剥がしたガムテープを床に落として、がばりと蓋

    わたしたちは生産性を高めることによって、何を欲望するのだろうか?|ながーいれい
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