「世界最低レベル」(世界保健機関)と言われている日本の受動喫煙対策。海外から多くの旅行客らが訪れる2020年の東京五輪・パラリンピックなどを前に、国は対策を強化したい考えだが、「売り上げが減る」と飲食店業界が猛反対している。一方で、個々には禁煙に切り替える店や最初から禁煙の店も広がっている。東京と大阪でそれらの店をめぐり、わけを聞いてみた。 「きれいな空気の中で飲みたい」 大阪府立成人病センターのがん専門の疫学研究者で、2年前からフェイスブック(FB)で禁煙店専門のグルメページ「ケムラン」を主宰する伊藤ゆりさん(39)が案内してくれた。 1月中旬に訪れた東京・神楽坂のパブ「ザ・ロイヤルスコッツマン」。「スコットランドビールに加え、(国産ウイスキーの)イチローズモルトの品ぞろえにびっくり。2軒目使いにもよさそう」と伊藤さんは早速FBで紹介した。 店主の小貫友寛さん(39)はパリで料理の修業を