近ごろでは、オタクはすっかり勝ち組扱いだ。シリコン・ヴァレーのスタートアップの共同出資者といえばオタクぞろいだし、TVコメディでもオタクはスター扱いだ。独身女性の目から見ても、理想の好男子はいまやオタクという時代なのだ。ところが、いざ成人したオタクと恋愛してみると、彼らの意外な一面も見えてくる。オタクとのデートは、長い週末にふたりでビールとスナックをつまみながら「Fringe」を観て、その合間にいちゃつく、というようなわけにはいかない。オタクは恋愛を求めて生きるのではないし、女の子のパンツに潜り込めたことに感謝するわけでもない。ハイスクールを童貞のままで卒業したという屈辱が、いまだに深い心の傷になっているのだ─。そんなオタクたちの生態を、シボーン・ローゼンが赤裸々につづる。 Text: Siobhan Rosen 翻訳:待兼音二郎 優しさの皮をかぶっていても、“カレ”は噴火しそうになってい