司法試験を目指す受験生の皆様へ(8)~司法試験受験生は問題を解いていない~ 1 問いに答えることが求められている 司法試験管理委員会は、論文を書けとは表現していません。「短答式」「論文式」の試験だとされているのみです。短答式なら、選択式で問題に答えなさい。論文式なら、論述して答えなさい。つまり、司法試験が問題で問うている「問い」に対して「答えなさい」と言っているにすぎないのです。しかし、法科大学院で勉強してきたこととは裏腹に、司法試験受験生は、どうも違うことをしているように思います。新司法試験になって、出される問題の事案が非常に多くの事実を含むようになり、社会で生起する事実になるべく近い形で、さまざまな事実を時系列に書いている問題文になっています。 受験生は、当事者ごとに事実を整理して、どの当事者間で、どのような権利義務関係が発生し、あるいは消滅していくのかを検討していかなければならないの