通貨スワップ契約は直物外貨と先物外貨の交換取引なので、それ自体としては損益を生むことがないが、外国為替の直物レートと先物レートは同一とはならないので、直物で買った(売った)外貨がそれと同額の先物で売れる(買える)というわけではない。直物レートと先物レートに差が生じるのは、外国為替が、直物と先物のスプレッドにより、それぞれの通貨の金利差を調整しているためである。直物と先物の外貨交換差額を狙った金融取引が通貨スワップ契約となる。 さて、リーマンショックの起きた2008年9月以前の外国為替市場において、米ドルの為替レートは1ドル=108円程度で、米ドルの1年物金利は3%程度、日本円の1年金利はほぼ0%で均衡していた。この均衡条件で1年先物の理論レートを計算すると、米ドルの1年先物レートは次の通り1ドルが104円85銭となる。 直物レート108円÷{1米ドル×(1+金利3%)}=先物レート104円