今年の7月、老舗音楽雑誌『ロッキング・オン』が自社で音楽アニメのプロジ ェクトを開始すると発表した(参照:ロッキング・オンが手がける音楽アニメプロジェクト)。 自社で原案・企画立案し、新人発掘オーディションも行うそうで、出版事業だけでなく音楽フェスを開催するなど、日本のロックシーンを牽引する同社が音楽アニメを自ら作ると聞いて、時代の変化を実感した。現在のアニメ文化を語る上で音楽の存在は欠かせない。アニソンがヒットチャートの上位に食い込むのは当たり前になったし、多種多様なアーティストがアニソンに挑戦している。いまや鈴木雅之のような存在がアニソンを歌う時代である。 アニソンは、アニメという物語装置に支えられた存在だ。90年代のトレンディドラマが音楽CDの売上に多大な貢献をしたのと同様、アニメという物語体験装置を通して得られる感動や興奮がアニソンへの思い入れに直結している。アニメの内容と音楽の存