2014年01月01日18:14 カテゴリ本 キリスト教のマーケティング さっきの続き。金があまって余命が短い高齢化社会では、経済学の考えている「効用」より、人生に「意味」を与えるほうが重要だ。それは狭義の宗教にかぎられるわけではないが、20億人以上の信徒を獲得したキリスト教のマーケティングが成功した要因を考えることは、ビジネスマンにも参考になろう。 まず基本的なことだが、キリスト教はイエスその人とはほとんど関係ない。彼の弟子が初期教団をつくったことは事実だが、それだけではユダヤの泡沫宗教として消えてしまっただろう。新約聖書がすべてローマ帝国の公用語であるギリシャ語で書かれたことからもわかるように、それは古代ローマで発展した宗教なのだ。ヘレニズムの伝統をもつローマ帝国で、なぜまったく別のユダヤ教につらなる特異な新興宗教が流行したのか、というのは諸説あって、いまだにはっきりしない。本書は第1