東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の事故を巡り、政府と東京電力にずれが生じている。 政府と東電による「福島原子力発電所事故対策統合本部」は、菅首相が本部長だが、首相官邸ではなく、東京・内幸町の東電本店に設置され、海江田経済産業相や細野豪志首相補佐官が常駐することになっている。政府は海江田氏らを「東電に対する事実上の『お目付け役』だ」と位置づけており、不信感の根強さが透けて見える。 14日に起きた2号機の燃料棒露出を受けた対応でも、両者はすれ違った。 14日夜、東電の清水正孝社長と枝野官房長官、海江田氏が電話で連絡を取り合った。政府側は「燃料棒露出を受け、東電側が作業員全員の撤退を申し出てきた」としている。これに対し、東電関係者は「一時退避はあっても、撤退ということはありえない」と反論する。 政府側は、作業員が全員退避すれば原発の制御は不可能になると