天守閣の正面で営業していた売店「豊城園」(手前)(3月29日、大阪市中央区で、読売ヘリから)=永尾泰史撮影 国の特別史跡・大阪城の本丸で約60年間、独占的に軽食や土産物を販売してきた売店2店のうち1店が2日、大阪市に建物を明け渡した。 「景観上、望ましくない」とする文化庁の意向に沿った形で、残る1店も来春営業を終える。一方、売店の代わりに市が大阪城公園内に計画した飲食施設は、業者の公募が不調に終わり、オープンのめどは立っていない。市は「城は大阪観光の目玉。魅力を損なわないよう、何とか利便性を確保したい」としている。 この日、立ち退いたのは、1951年から天守閣正面で営業する「豊城園」。同店は、54年開店の売店「錦秀」とともに、大阪城が55年に特別史跡に指定された後も、それぞれ店舗を市に寄付したうえで、毎年、市に1500万~2000万円の使用料を支払って営業を継続。市は慣例的に使用許可を更新