安倍政権は成長戦略のひとつとして「限定正社員」(ジョブ型正社員)を推進する方針を打ち出しています。多様な働き方を実現できる、非正規社員の正社員化を促すなど評価の声があがる一方で、正社員を解雇しやすくなるのではないかという懸念もあります。限定正社員にまつわる議論を整理してみましょう。 限定正社員は、雇用期間に定めがなく、賃金は非正規社員より高い水準で、社会保険にも加入することから、比較的安定した雇用形態だと考えられています。「限定」とあるのは職務や勤務地などに制限があることを指しています。転勤や異動、残業などは要求されず、その分、賃金は正社員より低く抑えられています。 拘束度低いが解雇されやすい 限定正社員には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。みずほ総合研究所チーフエコノミストの高田創氏は、労働者と企業それぞれの視点から、以下のようにまとめています。 労働者からみた限定正社