7月8日、凶弾に倒れた安倍晋三・元首相。9月27日に日本武道館で国葬が実施されることが決まり、改めてその存在感の大きさがうかがえる。 亡くなった直後から、安倍氏が演説を行なっていた奈良県・西大寺駅前や、地元である山口・下関の安倍事務所に設けられた献花台には、ひっきりなしに人が訪れていた。気になるのは、その献花の行方である。 西大寺駅前の献花台に供えられた花は、ボランティアが定期的に段ボールに移し替えてトラックに積み込んでいた。その後、「回収された花は肥料になる」(ボランティア)という。一方、山口・下関の安倍事務所に供えられた花の行き先は違っていた。 安倍氏が亡くなって1週間が経った7月15日、真夏の日差しの中、安倍事務所に設置された献花台にはまだ人の列が絶えなかった。家族連れなどが続々と詰めかけ、車で遠方から訪れている人もいた。 その日、午後5時を過ぎると青色のゴミ収集車が事務所の裏口にあ
転落の始まりは、憧れのJリーガーとの結婚 ほっそりとした、美しい女性だった。大野真希さん(仮名、40歳)。 今回の取材を始めるにあたり、私自身のサイト(今は閉鎖している)で、シングルマザーの方へ話を聞かせてと呼びかけたところ、連絡をくれた唯一の女性だった。その意味で真希さんは、自ら志願して、私に自分の「これまで」を伝えようと決めた女性でもあった。 取材時の真希さんは、高校2年生の息子と2人で暮らしていた。シングルマザー歴が「大体、17年ぐらい」と言うのだから、結婚期間が非常に短かったことがわかる。 真希さんは両親と姉との4人家族で育ち、実家は工務店を営んでいた。短大の英文科を卒業後、就職することもなく、キャバクラなどでのアルバイト生活を選んだ。 「就職氷河期だったから、面接で結構、落とされて……。もともとガッツもないし、必死に就活することもなく、アルバイトでいいかなって。バカだったんです。
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