映画『すずめの戸締まり』のヒロインは、九州に住む17歳の女子高生・岩戸鈴芽(いわとすずめ)。不思議な青年・宗像草太(むなかたそうた)との出会いをきっかけに災いの元となる“扉”を閉じるため、日本を縦断する旅に出る――というロードムービーになっている。新海監督は本作について「『君の名は。』『天気の子』という映画を作って公開してきたことが、僕にこの映画を作らせてくれました」と語る。 「僕は作家としてのロードマップやキャリアパスというイメージがまったくないタイプで、毎回毎回白紙のところから『次は何を作ろうか』と考えています。でも、少なくとも、僕はもともとは『すずめの戸締まり』のような映画を作る作家ではなかったような気がするんです。もう少し内省的だったり、日常のちょっとした瞬間を切り取ってアニメーションを作ることを昔は続けていたように思う。10年前の自分がこの映画を見たら、自分が作ったものだと思えな