サバが不漁に喘いでいる。「漁業情報サービスセンター」の統計によると、2023年のマサバ・ゴマサバ水揚量は21万トンと、19年の41万トンからほぼ半減した(図1)。昨年まで12年連続水揚げ日本一だった銚子漁港は、その座を釧路に明け渡した。イワシとともに水揚げの主力であるサバの水揚げが昨年の3万トンから1万7千トンへの半減したことがその要因だ。 青森県八戸市に本拠を有する水産加工業者も、今年早々青森地裁に自己破産を申請している。負債額は約2億1600万円。コロナ禍による受注減とともに八戸港でのサバの水揚げ不振が引き金になったという。各地の漁業者から「サバが獲れない」との声が聞こえる。 サバ資源への楽観的な評価 これまでわが国で実施されてきたサバに対する資源評価は楽観的なものだった。水産基本法第15条は「国は、水産資源の適切な保存及び管理に資するため、水産資源に関する調査及び研究その他必要な施策
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