女性にとって、新オフィスでの勤務が始まっていちばん苦労するのは、メール・サーバーのデバッグを待つことではない。それより重要なのは、暖房をつけてくれ、と頼めるようになったり、デスクでダサいブランケット・ポンチョをかぶっても引かれない程度に、オフィスの雰囲気に溶け込むのを待つことだ。女性にとっては、特に夏場、クーラーがガンガンに効いているオフィスは冷凍室そのものだ。女性たちは白湯を入れたマグカップを両手でぎゅっと握りしめ、ダウン・コートを着込んで電話に対応している。真冬でもお昼は外に出て、日光に当たろうとする。一方、多くの男性は、オフィス環境を快適だと感じている。 これはどういうことだろう? 女性の体温が低いのか、あるいは、男性があまり温度に頓着しないだけか。それとも、まさかとは思うが、男性は弱々しい姿を見せないようにできているのか。オレゴン大学で人間の体温調節について研究する専門家クリストフ