2014年、ハイブリッドレジン(以下HRと略)をCAD/CAM法で作製するクラウン(以下HR-CAD/CAM冠)が保険適用となったが、予想外にその脱離が起きやすいという話を耳にしていた。それを裏付けるようなことが起きた。3Mは2012年から他社に先駆けて我が国でCAD/CAM 用のHRとしてラヴァアルティメットを販売していたが、クラウンの脱離率が高いという理由で、本年6月その販売を中止したのである。3Mでは全世界でクラウン用途を適用外とし、インレー、アンレー、べニアは適用としているが、日本の3Mはとりあえずすべて用途での販売を中止としている。さらに、かなり前に、懇意にしている歯科医から「スーパーボンドでHR-CAD/CAM冠を合着すると象牙質とスーパーボンドの界面で脱離することがあるが、どうしてですか?」という質問を受けていた。彼はスーパーボンドの長い使用歴があるが、そうした脱離はほかの材