昨年夏に公開された、劇場短編『も~っと! おジャ魔女どれみ カエル石のひみつ』は見るべきところの多い作品だった。 ひとつは映像の充実ぶり。作画、美術、特殊効果、CG、撮影の各パートがそれぞれ腕を振るっており、大変に見応えのあるものに仕上がっているという事。もうひとつは映像と音楽を巧みに使い、濃密なムードで観客を圧倒する「山内演出」の冴えだ。 監督の山内重保は名作『聖闘士星矢 神々の熱き戦い』や、昨年の劇場『デジモン アドベンチャー 02』等の傑作、異色作を発表してきた演出家。撮影等に凝る事でも知られ、『星矢』の頃には社内で「ヒカリモノの山内」と呼ばれていたとか。『カエル石のひみつ』は、そんな彼がデジタルという新しい道具を使い、細部に至るまで存分に作り込んだ作品なのだ。 ●2001年8月7日 取材場所/東京・新宿 取材/小黒祐一郎 構成/小川びい PROFILE 山内重保(Yamauchi