（斜影の森から：２４）木を殺さず、桜男と坂本龍一さんの遺志 福島申二：朝日新聞デジタル春、桜の季節がめぐってくると、かつて記事に書いた「桜男」という異名の人を思い出す。生涯を好きな桜とともに歩んだ笹部新太郎は、水上勉の小説「櫻守」のモデルにもなった。 明治半ばに大阪の地主の家に生まれ…
（斜影の森から：２３）享年２８、ある女性の痛ましい墓標 福島申二：朝日新聞デジタル
灼（や）かれたような肌の裸体に、浮きあがる血管――絵の中の男が右手に持つ紙に書かれた英文は、こう読める。 「わたしは久保山愛吉という漁師です。わたしたちの漁船ラッキードラゴンは１９５４年３月１日、ビ…
（斜影の森から：２２）「走る母」の悲しみ、独裁者の酷薄 福島申二：朝日新聞デジタル
昨年暮れにこのコラムで紹介したインドの詩聖、タゴールの珠玉の短詩集「迷える小鳥」（藤原定訳）には、次のような言葉もある。 〈不正は敗北には堪えられないが、 正義はそれができる〉 理不尽に立ち向かっ…
（斜影の森から：２０）「侮辱された人間」の勝利待つ歴史 福島申二：朝日新聞デジタル
百年ほど前、インドの詩聖タゴールが来日した。滞在中につくった短詩や警句を集めた詩集「迷える小鳥」（藤原定訳）に、こんな詩句がある。 「人間の歴史は、侮辱された人間が勝利する日を、辛抱づよく待っている…
（斜影の森から：１９）８０億人の惑星、飽食と飢餓を載せて 福島申二：朝日新聞デジタル
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（斜影の森から：１８）キューバ危機とプーチンのゆがんだ靴 福島申二：朝日新聞デジタル
人間というもの、何に涙するかは大抵同じだが、何を笑うかは人によるらしい。「何を笑うかで君がわかる」という怖い警句もあって、笑うことで正体がばれてしまうこともある。 １２年前、イギリスの公共放送ＢＢＣ…
（斜影の森から：１７）「樹林の十字架」と欧州の苦い記憶 福島申二：朝日新聞デジタル
今年はもうその日は過ぎたが、ポーランド映画の巨匠アンジェイ・ワイダ氏が生前に「９月１７日」がどういう日かを知らない若い世代のことを嘆いていた。それは１９３９年、第２次世界大戦の勃発後にソ連軍が国境を…
（斜影の森から：１５）サン＝テグジュペリ、機上で思う平和 福島申二：朝日新聞デジタル
あさって７月３１日はサン＝テグジュペリが消息を絶った日。第２次大戦下の１９４４年、地中海の島から偵察飛行に飛び立ったまま還（かえ）らなかった。 飛行士でもあった作家が遺（のこ）した作品のうち、「星の…
（斜影の森から：１４）「保護色願望」を生む同調への空気 福島申二：朝日新聞デジタル
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（斜影の森から：１１）ロシアの戦車よ、国境への道を戻れ 福島申二：朝日新聞デジタル
権力をからかう笑いは、圧政がきついほど「名作」が生まれるらしい。旧ソ連などかつての共産圏でよく作られた諷刺（ふうし）小話はその好例といえる。 そうした小話の定番の一つに問答形式のものがある。たとえば…
（斜影の森から：１０）地球と核とフランケンシュタイン 福島申二：朝日新聞デジタル
２００年余り前の火山の大噴火がなかったら、だれもが知るあの怪物は生まれていなかったかもしれない。先月トンガ諸島で起きた火山噴火のニュースに、フランケンシュタインの怪異な面相がふと脳裏をかすめていった…
（斜影の森から：９）「夜と霧」、枯葉一枚の意味もない言葉 福島申二：朝日新聞デジタル
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（斜影の森から：８）ヒチコックの描いた「多数決」 福島申二：朝日新聞デジタル
何が話し合われるかより、どの国や地域が「招待」されるかに、むしろ関心が集まったらしい。今月９日から１０日にかけて、バイデン米大統領の呼びかけによる「民主主義サミット」なるものがオンラインで開かれた。…
（斜影の森から：７）男の政治家が履く「上げ底の靴」 福島申二：朝日新聞デジタル
それは戦後の国会で発せられた、もっとも品性を欠いた言葉であろう。 「パン助、黙れ」 １９５３（昭和２８）年８月１日のこと、衆院本会議場で、自由党の副幹事長だった男の議員が、右派社会党の女性議員をこう…
（斜影の森から：６）悪い政治家と投票しない市民 福島申二：朝日新聞デジタル
エジソンが没して今月１８日で９０年になったことをニュースで知り、立志伝を引っ張り出した。白熱電球をはじめ数え切れない発明をした天才が、若いときに初めて取得した特許は「電気投票記録機」というものだった…
（斜影の森から：５）理想と歴史とトウモロコシ畑と 福島申二：朝日新聞デジタル
試合は９対８の熱戦だった。それも逆転サヨナラホームランで決着したから今季大リーグのベストゲームとの呼び声も高い。８月にアイオワ州のトウモロコシ畑に仮設した球場でおこなわれた、れっきとした公式戦である…
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（斜影の森から：２１）「人類」は愛せても「隣人」を愛せない 福島申二：朝日新聞デジタル
（斜影の森から：１６）アメリカ、非業の死と未完の理想 福島申二：朝日新聞デジタル
（斜影の森から：１３）知られざる北の戦い、小さな国の自尊心 福島申二：朝日新聞デジタル
（斜影の森から：１２）独裁者の周辺、グロテスクな人間模様 福島申二：朝日新聞デジタル
