男子テニスのノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)がオーストラリアから国外退去処分となり、3連覇中だった全豪オープンへの出場を断念したことは、新型コロナウイルスワクチンの未接種者が不利益を被る時代であることを如実に示した。 市民の自由をとりわけ重んじてきたはずの欧米では、新型コロナのワクチン未接種者の権利を制限する国が相次いでいる。職業や移動の自由を限定し、義務づけた国では罰金を科す。ただ、未接種者をどう特定し、権利を制約するに足る効果があるのかといった問題は残されたままだ。 「ワクチン義務化にノン(反対)」 欧州連合(EU)本部があるブリュッセルで23日、そう書かれた看板を掲げた人たちが「自由を」と気勢を上げた。フランスやドイツの国旗を手にした人もいた。仏紙ルモンドによると、欧州各国から自国の感染対策に不満を持つ5万人以上が結集。一部は暴徒化し、欧州対外活動庁(EU外務省)のドアガラスを破