トマ・ピケティの『21世紀の資本』が好評である。筆者は、kindle版の英語版を読んだが、山形浩生さんらの丁寧な日本語訳もある。ネットの上でpdf版を探せばある。この年末年始の休みに読むにはちょうどいい本だ。 『21世紀の資本』は反成長でも反インフレでもない kindle版やpdf版で便利なのは、資料リンク(http://piketty.pse.ens.fr/en/capital21c2)を参照できることだ。そこには、本書に使われている図表が250枚以上もある。 本書は、分厚い学術書であるが、そのタイトルから、マルクスの資本論の再来を彷彿させる。しかし、ピケティ自身がいうとおり、本書はマルクス経済学ではなく、標準的な成長理論を使った、ごくふつうの経済学である。 本書は、政策提言を除けば、反成長でも反インフレでもなく、政治的な左も右もない。もし本書を政策提言のみを強調したりして、政治的な左の