先日、syrup16g の YouTubeチャンネルが開設された。 そこに一番最初に公開された映像は、『負け犬』の MV だった。 『負け犬』は、2001年にリリースされた syrup16g のファーストアルバム『COPY』に収録されている曲だ。 今から19年も前に世に放たれた曲である。だが、その『負け犬』は、時を経て2020年に再び、その本来の姿を露わにし、時代とリンクしたように、私には感じられた。「また国家予算内で死ぬの」というフレーズが、「保健所」というワードが、これほど重くのしかかってくる年はなかった。 2001年に syrup16g がこの曲の中に閉じ込めたものが、今になってこんなにもリアルに重く感じられるのは、なぜなのだろうか。それは、この国や社会が抱えている問題が19年経ってもたいして解決されずにいたこと、今年になってようやくコロナ禍によってその膿が放出し始めたことと無関係で