太陽圏の外に出たNASAのボイジャー1号と2号の位置を示したイラスト。太陽圏と星間空間の境界面である「ヘリオポーズ」は、冥王星の軌道を越えたはるか先にある。(ILLUSTRATION BY NASA/JPL-CALTECH) 2018年11月、地球から遠く離れた宇宙の暗闇で、NASAの宇宙探査機ボイジャー2号が探査の大きな節目を迎えた。私たちの太陽圏を脱して、星間空間に到達したのだ。太陽圏の外に出た探査機は、ボイジャー1号に続いて2機目となる。 その1周年を目前に控えた11月4日、学術誌「Nature Astronomy」に5本の論文が掲載された。これは、太陽圏と星間空間の境界付近のプラズマを直接観測した初めての報告だ。プラズマは電気を帯びた粒子で、太陽風はその流れである。また、1977年に打ち上げられたボイジャー2号は、いずれも巨大な氷の惑星である天王星と海王星に接近した唯一の探査機でも