地方の若者の地元志向が強まっている。そんな声をよく聞くようになった。いったい、何が起こっているのか。例年、県外就職者が多い青森県を歩き、その謎を追った。 編集部=澤田晃宏、出崎真里 自宅から通える範囲に限定する採用区分を新設 青森県を中心に東北6県でホームセンターなどを111店舗を展開する「サンデー」(青森県八戸市)は昨年、新しい社員区分を設けた。勤務範囲に制限のない「ナショナル社員」、就業する店舗の県内異動がある「リージョナル社員」に加え、就業場所を自宅から通える範囲に限定する「ローカル社員」を創設。同社人事教育部の谷村秀人・人材開発課長は、こう話す。 「転勤は敬遠され、実家から通える範囲で働きたいという高校生が増え、それに応じる形で新たな区分を創設しました」 同社は積極的な新卒高卒採用を続け、今春は24人が入社した。入社時の区分はナショナル社員だが、入社後3年間は自宅近隣店舗での勤務と