目覚めてしばしぼうっとする。窓の外の陽気に誘われ外出し、あまりにも暇なのでそのまま歩きだす。黙々と歩き続けること6時間。一応の目的地を定め歩いていたのだけど、小休止ついでに何気なく路面の市街図を見ると思っていた方向と90°ずれて歩いていた事に気がつく。東に向かって歩いていたつもりが、何時の間にか北に向かって歩いていたようだ。どこで道を間違えたのだろう。「なんだか道を間違えたようだ」と友人にメールしたところ「人生の話ですか?」との返信がくる。違うよ。 いい加減疲れたので、どこかで電車に乗ろうと駅を探して歩いていると、道路をはさんだ向こう側に「古本」という字が見えた。おや、こんなところに古本屋が、とよくよく見ると「閉店」「全品半額」という文字がガラス窓に貼られている。なにかへんなものがざわざわと頭の中を流れるのを感じながら、ダッシュで道路を渡り、店に入る。横長の店。ところどころ棚がかたむき、床