昭和三十年代主義―もう成長しない日本 作者: 浅羽通明出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2008/04メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 188回この商品を含むブログ (60件) を見る普通に生きることの重要性みたいなテーマは、これまでの浅羽と基本的には変わらないが、これまで読んだ浅羽本の中でも圧倒的におもしろかった。昭和回顧ブームの分析を足がかりに、もう経済成長の夢が見られない現代社会のいろんな側面を露わにしている。吉永小百合主演の『いつでも夢を』と宮部みゆきの『模倣犯』が比較されながら、「全能感」や「肥大した自尊心」に煽られた職業感が語られる辺りがたまらない。 あと、本書の中盤辺りでは、言葉こそ違うものの、ポジティブ強についても触れられる。 「自己啓発、ステップアップを忘れたくないと念じている人」(=つまちポジティブ教信者)が重宝されるのは、企業が彼らを“自主的に研鑽する主体