その日は嵐だった。 叩きつけるような雨が草原を洗い、太い雷が何本も大地へと落ちた。 雷光に照らされて、一軒の家が浮かび上がる。 人気のない草原にポツンと建つ家。 その家の中では、二人のマッドサイエンティストが笑っていた。 「フフ、フハ、フハハハハ! ようやく、ようやくですな!」 「ああ! ようやくだ! ようやく完成した!」 二人のマッドサイエンティストは笑いながら手を取り合い、部屋の中で踊っていた。 「ここまでこれたのは、ひとえに師匠の類まれなる技術と叡智の賜物!」 「いやいや、ザノバ君、君の深淵たる知識や発想なくしてこれは完成しなかった!」 ルーデウスとザノバである。 互いを讃え合い、踊りをやめた二人。 彼らのいる部屋の奥には、ある物体が設置されている。 不気味な光を放つ石の寝台だ。 その寝台には、一人の少女が寝かされていた。全裸で。 「ここまで、本当に長かった……」 ルーデウスは思い出
![無職転生 - 蛇足編 - - 10 「人形が歩いた日 前編」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7e6217d91d33e609d5dcb55f27e49a2e4c325d2b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsbo.syosetu.com%2Fn4251cr%2Ftwitter.png)