異変が起こったのは、俺たちのバカ騒ぎが収まってすぐのことだった。 「結局負けてんじゃねぇかよ……」 そんな、小さな……それでいてハッキリと聞こえた声をきっかけに、四十一区の客席から不満の声が漏れ始めた。 「どーなってんだよ!?」 「しっかりしろよ、狩猟ギルド!」 「全部任せてりゃ問題ないんじゃねぇのかよ!?」 「うちなんか店まで取られたのによ!」 「詐欺じゃねぇかよ!」 「これで四十一区は破綻じゃねぇか!」 「どうすんだよ、領主!?」 それはまるで、これまで蓄積されていた鬱憤が爆発したかのような勢いだった。怒号が大きなうねりとなり会場を埋め尽くす。 舞台と、その前に立つ狩猟ギルドとリカルドに容赦なく浴びせかけれる罵声。 「お前に任せてたせいで散々だ!」 その一言が、四十一区の体制を物語っていた。 リカルドは、狩猟ギルドをメインに据え、その強大な牽引力でなんとか四十一区を運営していた。 その